機械設計は、専用機自体はもちろん、
それで作られる製品の品質にも影響を及ぼす重要な任務。
得意先から専用機の製作を受注すると、まず営業担当者が大まかな全体像を描いてくれます。それに基づき詳細な設計図に落とし込むのが、我々設計課の仕事。
お客様の要望を詳しくお聞きし、どんな加工をしたいのか、どこまで精度を出したいのかなど詳細を詰めた上で
機械の構造・機構の具体的なプランを立て、CADで図面化します。
プロジェクト全体の最初の工程であり、次に続く加工や組立はもちろん、
完成品で作られる製品の品質にも大きな影響を及ぼす非常に重要な役割を担います。
設計職・田上宏の1日
モノづくりのすべてに関われる環境に
魅力を感じた。
就職活動中、工場見学に参加して現場を実際に見たのが入社のきっかけ。岩田工機では、機械設計、電子設計、加工、組立を社内で一貫して行っているため、モノづくりのすべての工程に関われるところに面白味を感じたんです。実際、入社後は現場で組立と電子設計を経験。工作機械の仕組や、専用機が作られていく過程を現場で体感しながら学んだことが、今の仕事に生きています。
平面が立体になり、動く!
自分が描いた図面からモノが出来上がる喜び。
仕事をしていて一番興奮するのは、自分が引いた図面をもとに少しずつ組み上がっていった機械が、実際に動いた瞬間です。入社3年目の頃、完成品が当社の工場全体を埋め尽くすほど規模の大きなプロジェクトに携わったことがあります。自動車エンジンの重要部品であるコネクティングロッドの量産ライン設備をつくる1年がかりの大仕事でした。私が設計に携わった搬送装置は全体の一部分に過ぎませんでしたが、完成した全体像を見てそのスケールの大きさに圧倒されました。モノづくりは、平面で描いていたものをカタチにする、とても夢のある仕事だと思います。
平面の設計だけでは身に付かない
“モノづくりの勘”を現場で養う。
プロジェクトが進んでいる間は、なるべく現場に出向いて各工程でつくられる部品などをチェックするようにしています。例えば図面の段階では問題がなくても、それがカタチになると想定と異なる仕上がりになることがあるんです。もちろん設計上の数値は正確に設定していますが、実際に出来上がった部品を見ると予想以上に分厚かったり、強度が足りなかったり逆にあり過ぎたり…ということもあります。それは、やはり現場でしか知り得ないこと。設計部門と生産現場が近い岩田工機ならではの環境を最大限利用して、技術者として不可欠な感覚を養うようにしています。
チームを的確にリードし、
精度の高い仕事につなげたい。
今、設計課の中堅スタッフとして、チーム内で仕事を割り振ったり、協力会社に設計を依頼する仕事も任されています。そこで重要なのが、的確な指示と仕上がりのチェック。実際に図面を引く人がきちんと理解をした上で作業できるよう、細部にまで気を配った指示が出せるようになることが目下の課題です。設計図は、すべての基本ですから。常に意識しているのは、完成させる専用機の精度を可能な限り上げること。その実現のため、ひとつひとつの経験を糧に技術を磨いていきたいと思っています。
技術部門のエンジニアたちは、良い意味で凝り性の人たちばかり。お客様の要望に応えるのはもちろん、それ以上の結果を出そうと、常に創意工夫を欠かしません。そんな“職人魂”のもとでモノづくりに携わる経験は、きっと技術者としての成長を促してくれると思いますよ。